◆武帝という人物と、鬼ども
男鹿の人々は、なまはげを一種の神様と考えてきたところがあります。それには、それなりの訳を伝えるものがみられるからです。そのひとつは、中国漢の時代に不老不死の薬草を求めて男鹿島にやって来た武帝(ぶてい)の話です。彼は白鹿に乗り、五匹の鬼どもを従えて渡ってきました。武帝は鬼どもを日頃に酷使していたので、一年のうち一日だけ、村里に出て自由な振舞いを許しました。そこで、鬼どもは、悪態のきりを尽くして娘まで攫(さら)ったりしたのです。
困り果てた村人は一計を案じ、鬼どもと賭(か)けを申し入れました。その賭けにおいて、村人たちは、まんまと鬼どもをだまして、勝つことが出来ました。村人たちは、騙した鬼たちの崇りを恐れ、年に一度若者たちが鬼に扮して村を訪れて、その際に、村人が充分にもてなして山に帰ってもらうという祭りを考えたというわけです。 |